「気」と「愛」と「ペア・システム」 (22)

「気」と「愛」と「ペア・システム」
ここで、東洋思想(哲学)の「気」の概念について考えてみましょう。


東洋思想(哲学)の帝王学(易学・気学)は、陰陽五行説に基づき確立された学問です。
その「気」という概念は、エネルギー(力)のことです。「元気」、「根気」、「空気」、「病気」など、漢字には、数多くの「気」と言う文言が使われています。
また、「陽の気・陰の気」、「先天の気・後天の気」など、二つの極の「気」で表わされる「概念も多くあります。「男・女」、「オス・メス」「上・下」「左・右」「内・外」「凸・凹」などです。


ここで、東洋思想(哲学)の「気」の概念について考えてみましょう。


 「やる気」を持って物事に取り組むと、思った以上の良い結果が出たり、「火事場の馬鹿力」など、必死で物事を行うと「思わぬ力」が出たりします。武道にも「心技体」という言葉があるように、心のわずかな油断が勝敗を決めたりします。その「心の状態」の様相や強弱などを表現する「気持ち」が結果に大きな影響を与えることは良くご存じのことと思います。その心の状態(力)のことこそ「気」であることが分かります。「気」というエネルギーは物質的な数値や数式で、定量的に表すことができません。「気」とは心の状態・様相によって増減するエネルギーであることが分かります。「気合いだ、気合いだ、気合いだ!」と叫ぶ格闘家の方がいました。


   

       

      


 東洋思想の「気」の概念は、宗教の「愛」や「心情」「慈悲」の概念と共有するこができるのでしょうか?
教材として「統一原理」(超宗教超国家的活動による世界平和運動の指導者文鮮明師の理念)、に記される「愛の力」を参考に考察してみます。教材には、「愛とは主体が対象に授ける情的な力」とあり、①「愛とは情的な力」、②「愛を授けるのが主体」、③「愛を受けるのが対象」と理解できます。「力」は「あらゆる存在を作っている主体と対象が、良く授け良く受ければ力を発生せしめる」と定義され、その力の作用のことを「授受作用の力」と表現されています。


    

               「授受作用の力」



以上より、易学の「気」の概念は、「主体・対象の作用による力」即ち「愛の力」と定義し、共有できると私は考えます。教材では、この概念を「ペア・システム」と称しています。


「ペア・システム」は「力」が生じるために、必ず必要な「主体と対象」の概念です。

 「この主体と対象はいったい何をするのですか。これがあるのは愛のゆえです。愛の概念があって主体と対象があり、主体と対象があって作用し、作用があって力が出てくるのです。これを反対に話すと、力が存在するためには作用が必要であり、作用するためには主体と対象がなければならず、主体と対象は愛がなければならないというのです。」
(文先生のメッセージ)

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