観測とはいったい何なのでしょう (18)

(10) 観測とはいったい何なのでしょう 
    ~まるで人間が量子を見ているように、第1原因(サムシンググレート)が宇宙や人間を見ている~


観測とは一体何なのか。
・観測者とは何を指す言葉なのか?
・観測者には観測しているという認識が必要なのか?
・観測できるのは意識のある生物だけなのか?


『量子』は物質ではなく、波動性を持った状態でエネルギーとして存在しています。そして、外部からの観測のエネルギーを受けた瞬間に一点に収縮した『粒子』となって出現します。この現象を、波動関数の収縮(デコヒーレンス)または観測者効果と呼びます。


 量子の二重性は、「観測」という行為によってデコヒーレンス(物質的な振る舞い)が起こりますが、「観測」については、物理学の世界では、今だ統一的見解が無くはっきりしていません。理論物理学の研究者の間では様々な議論が繰り返され、様々な理論・解釈が生まれています。


① 実験物理学によるデコヒーレンスの証明
 1996年フランスの物理学者セルジュ・アロシュと同僚らのリビジウム原子とマイクロ波を用いた実験物理学の実験において、原子がその周囲と相互作用することによってデコヒーレンスが引き起こされるということが証明されました。観測者に知性がある必要などはなく、他の粒子が作用するだけで十分な観測になるとされています。アロシュ氏はその研究によって、2012年にノーベル物理学賞を受賞しました。


これによって、”シュレディンガーの猫”の謎にも決着が着きました。
箱の中身を観測しなくても、猫自身を構成する原子や、空気の原子、青酸ガスの原子などによって「観測」は引き起こされ、猫の生死の状態は即座に決定されることになります。
シュレディンガーの訴えは正しく、生きていながら死んでいる猫は存在せず、「観測」という認識の方に問題があったのです。観測者の正体は、他の原子からの干渉でした。
 実験物理学では、デコヒーレンスを起こす要因は「環境物質との相互作用」と解明されました。それを踏まえた上で「観測」という現象について【課題】を列記します。


【課題】
・ 宇宙を形成している物質のエネルギーは5%、95%はダークマターやダークエネルギーであり、この未知のエネルギーが「観測」に係わっているのか、まだ何も分かってていません。
・観測者になり得るのは意識のある生物だけなのか。犬や猫、鳥、魚、昆虫などが見た時でも観測者効果は起こるのか未知です。
・そもそも観測とは”見ること”や”認識すること”だけなのか。記憶の無い夢を見たりすることは、潜在意識だけが要因なのかまだ何も分かっていません。


    

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